アジアの消費税(付加価値税)比較 — 日本・韓国・中国・台湾の税率と特徴
海外旅行の際、「同じアジアでも、こんなに税率が違うのか」と感じたことはないでしょうか。アジア各国の消費税(付加価値税)は、国ごとに税率も制度設計も大きく異なります。ここでは、日本をはじめ主要国の税率を比較し、それぞれの制度の特徴を解説します。
アジア主要国の消費税(付加価値税)の税率一覧
アジアの主な国・地域の標準税率をまとめると、次のようになります。なお、税率は制度改正により変わることがあるため、最新の情報は各国の税務当局で確認してください。
| 国・地域 | 税の名称 | 標準税率(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 消費税 | 10%(軽減税率8%) | 軽減税率を採用 |
| 韓国 | 付加価値税 | 10% | 単一税率 |
| 中国 | 増値税(VAT) | 13%(9%、6%など) | 複数税率・簡易課税 |
| 台湾 | 営業税 | 5% | アジアでも低水準 |
| シンガポール | GST | 9% | 段階的に引き上げ中 |
| タイ | VAT | 7% | 基本税率10%の特例措置 |
| インド | GST | 18%(5%など) | 財・サービス複数税率 |
同じアジアでも、台湾の5%からインドの18%まで、標準税率は大きな幅があります。日本の10%は、アジアのなかでは中位に位置します。
韓国の単一税率とゼロ税率の仕組み
韓国の付加価値税は、税率10%の単一税率を採用しています。日本と異なり軽減税率制度はありませんが、未加工食品などの生活必需品にはゼロ税率(免税)が適用され、実質的に生活必需品の負担が軽減されています。
単一税率のメリットは、複数税率の線引きに伴う事務負担がないことです。日本の軽減税率制度のように「外食かテイクアウトか」といった判定に悩む必要がなく、事業者にとっても消費者にとっても分かりやすい制度といえます。
中国の増値税(VAT)の複数税率
中国は2016年に営業税を増値税(VAT)に統合する大改革を行い、現在は一般税率13%を中心に、食料品・書籍などに9%、金融・ITサービスなどに6%といった複数の税率を採用しています。また、小規模事業者向けに簡易課税制度(約3%)もあります。
中国のVATは「輸入時の課税」「輸出時の免税・還付」という国際取引の仕組みも整備されており、日系企業が中国に進出する際には、税制の理解が欠かせません。税率区分が多いため、仕入れと売上のマッチング(ひも付け)管理が重要なポイントになります。
シンガポールと台湾の制度
シンガポールのGST(物品・サービス税)は、2023年に8%、2024年に9%へと段階的に引き上げられました。少子高齢化による社会保障費の拡大を財源の観点から支える狙いがあり、日本の消費税増税と共通する背景を持っています。
台湾の営業税は5%と、アジアでも最低水準の税率です。観光や内需振興の観点から税率を抑えている面があり、税率が低い分、税収全体に占める割合も限られます。海外旅行者にとっては、買い物の負担が比較的軽い国の一つといえます。
日本と海外の制度の違いで押さえたい点
- 日本の軽減税率(8%)は、韓国・台湾の単一税率と対比される
- 中国・インドは多段階税率を採用し、線引きの事務負担が大きい
- シンガポールなどは税率引き上げが進行中で、今後の動向に注目