消費税確定申告書の書き方 — 第一表から付表までの記入手順

消費税の確定申告書は複数の様式で構成されており、初めて作成する方にはハードルが高い書類です。このページでは、申告書の各欄の意味と記入方法を、本則課税・簡易課税それぞれのケースに分けて具体的に解説します。

申告書の全体構成 — 第一表・第二表・付表の役割

消費税の確定申告書は以下の3種類の書類で構成されます。すべてを揃えて税務署に提出することが基本です。

  • 第一表(申告書):税額計算の最終結果を記載。課税標準額から納付税額までを一覧表示。
  • 第二表(付表):課税売上高や課税仕入高の内訳明細。本則課税の場合に必要。
  • 第三表(簡易課税用付表):簡易課税制度を選択している場合に使用。みなし仕入率の計算。
e-Taxで申告する場合
e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用すると、画面の案内に従って入力するだけで自動的に各様式が生成されます。紙の申告書より格段にミスが少なく、計算誤りも防げるため、e-Taxの利用が推奨されています。

第一表の記入 — 主要欄の具体的
な書き方

第一表は申告書の中核です。上から順に記入していく形式で、課税標準額から最終的な納付税額までを計算します。

課税標準額の記入

課税標準額は、課税売上高(税抜)の合計額です。標準税率10%対象分と軽減税率8%対象分を区分して記入します。例えば標準税率対象の課税売上高が2,000万円、軽減税率対象が500万円の場合、それぞれの欄に「20,000,000」「5,000,000」と記入します。千円未満は切り捨てて記入するのが一般的です。

消費税額と控除仕入税額の計算

課税標準額に税率を掛けて消費税額を算出します。標準税率分は課税標準額 × 7.8%(国税分)、軽減税率分は課税標準額 × 6.24%(国税分)です。この消費税額から控除対象仕入税額を差し引き、差引税額を求めます。差引税額がマイナスの場合は還付となります。

地方消費税は、差引消費税額(国税分)に22/78を乗じて算出します。実際の申告書では、消費税額と地方消費税額を合算した「申告納税額」が最終的な納付額となります。

付表の作成ポイント — 課税売上と課税仕入の明細

第二表(本則課税用付表)では、課税売上高と課税仕入高の内訳を詳しく記載します。課税売上高は税率区分ごとに、国内取引と輸出取引を区別して記入します。輸出免税の対象となる売上は別枠で記載し、課税売上割合の計算に影響します。

課税仕入高の明細では、仕入や経費の支払先ごとではなく、勘定科目(仕入高、外注費、消耗品費、水道光熱費など)ごとに集計して記入します。インボイス制度導入後は、適格請求書に基づく仕入とそうでない仕入を区分する必要が生じ、経過措置の控除率(80%または50%)の適用がある場合は別途計算が必要です。

簡易課税用付表の特徴

簡易課税制度を選択している場合、第三表(簡易課税用付表)を使用します。業種区分ごとに課税売上高を分類し、それぞれの「みなし仕入率」を乗じて控除対象仕入税額を算定します。業種区分は全部で6区分あり、小売業(80%)や製造業(70%)、サービス業(50%)など事業内容に応じたみなし仕入率が適用されます。

よくある質問

確定申告書の第一表と第二表の使い分けは?
第一表は「消費税及び地方消費税の確定申告書」で、税額計算の最終結果を記載するメインの申告書です。課税標準額、控除対象仕入税額、納付税額などを記入します。第二表は「課税期間分の確定申告付表」で、課税売上げや課税仕入れの内訳を細かく記入する明細書です。簡易課税の場合は第二表の代わりに「簡易課税用の付表」を使用します。
控除対象仕入税額の欄はどう計算して記入しますか?
本則課税の場合、控除対象仕入税額は「課税仕入れに係る消費税額の合計額」であり、仕入や経費の支払時に発生した仮払消費税の総額です。簡易課税の場合は、課税売上に係る消費税額にみなし仕入率を乗じて計算します。第一表にはこの控除対象仕入税額を転記し、課税標準額に対する消費税額から差し引くことで差引税額が算出されます。
中間納付額は申告書のどこに記入しますか?
中間納付額は第一表の「中間納付税額」の欄に記入します。課税期間中に行った中間申告の納付額の合計を記載します。この金額が確定年税額から控除され、差引後の税額が納付または還付されます。中間納付額が確定年税額を上回る場合は、差引税額の欄に△(マイナス)表示で還付額を記載します。
地方消費税の計算欄はどうなっていますか?
消費税の確定申告書では、国税である消費税額と地方消費税額を合わせて計算します。消費税額(国税分、税率7.8%)から控除仕入税額を差し引いた後の金額に、22/78を乗じて地方消費税額(税率2.2%)を算出します。申告書の下部にこの計算欄があり、最終的に消費税額(国税)と地方消費税額の合計が申告納税額となります。