額面12万円の手取りはいくら?最低賃金×週5フルタイムの現実
時給1,000円×120時間—額面12万円はこうして生まれる
東京都の最低賃金1,226円(令和6年度)でも週30時間働けば額面14万円に届きますが、地方では時給900円台も珍しくありません。時給950円で週5日・1日6時間のシフトなら月収は約12万円。地方郊外の飲食店や小売店では、この賃金帯がまだ多数存在しています。
週5日勤務でも「フルタイム」と呼ばれない30時間未満のシフトでは、社会保険の適用外となり手取りは増えますが、将来の年金や傷病手当金といったセーフティネットから外れるリスクがあります。このトレードオフを理解している人は意外に少ないのが実情です。
| 項目 | 金額(月額) |
|---|---|
| 総支給額(額面) | 120,000円 |
| 健康保険料 | −5,976円 |
| 厚生年金保険料 | −10,980円 |
| 雇用保険料 | −720円 |
| 所得税(源泉徴収) | −2,200円 |
| 住民税 | −2,000円 |
| 手取り額 | 約98,124円 |
手取り9万8千円のリアル—家計簿から浮かび上がる限界点
「節約すればなんとかなる」は額面12万円の世界では通用しません。家賃3万円のアパートは地方都市でも築40年以上が中心です。食費は1日700円が上限で、これは食パン1斤・卵1パック・納豆3パック・もやし・鶏むね肉100gでギリギリのラインです。
ここで生活が破綻しないための3原則は「固定費を限界まで下げる」「自炊以外の選択肢を捨てる」「副収入の柱を作る」です。格安SIM(月990円)、不要な保険の解約、動画配信サービスの家族共有など、削れる固定費はまだあります。月500円の差が命取りになりかねない世界で、その500円をどう捻出するかの戦いです。
社会保険の壁—月収12万円で加入すべきか否かの損得勘定
週30時間未満の勤務なら社会保険に加入しない選択肢があります。手取りは約11万円に増えますが、国民健康保険に切り替わるため保険料が逆に高くなるケースもあります。加入するメリットは厚生年金の将来受給額増加だけではありません。病気やケガで働けなくなった時の傷病手当金(標準報酬日額の3分の2を最長1年6カ月受給)は、低所得層にとって最大の生命線です。
今年10月から適用拡大される短時間労働者向け社会保険では、月収8.8万円以上・週20時間以上の労働者も加入対象に。手取り減少への不安から加入を避ける人が多いですが、長期的に見れば加入した方が生涯所得は高くなるという試算もあります。