額面120万円の手取りはいくら?所得税率33%突入—年収1,440万円の富裕層が感じる税の壁と資産防衛

月収120万円の給与明細—天引き31万円のリアルを分解

額面120万円の給与明細に並ぶ控除額は合計約313,700円。そのうち社会保険料は91,675円(健康保険25,000円+厚生年金59,475円+雇用保険7,200円)で上限到達済み。残りの222,025円はすべて所得税と住民税です。月収120万円の人の納税額だけで、月収25万円の人の手取りを超える世界です。

さらにこの収入帯では、子ども手当などの各種給付金から完全に外れます。高校無償化の対象外、児童手当の所得制限超過、公的奨学金の対象外。税の負担は重く、恩恵は薄い。これが「中抜け富裕層」の感覚です。ただしそれを口にすると「贅沢な悩み」と一蹴されるのが、この層の孤独な現実です。

額面120万円の手取り内訳(協会けんぽ・東京都・扶養0人)
項目金額(月額)
総支給額(額面)1,200,000円
健康保険料(上限)−25,000円
厚生年金保険料(上限)−59,475円
雇用保険料−7,200円
所得税(源泉徴収)−120,000円
住民税−102,000円
手取り額約886,325円

限界税率43%の世界—追加所得1万円のうち5,700円が手取りにしかならない

所得税率33%+住民税率10%=限界税率43%。ボーナス100万円が追加で出た場合、手取りは57万円にしかなりません。給与所得控除は上限の195万円で固定のため、追加収入は全額が課税所得に直撃します。この段階になると「働き方改革」という言葉の意味が変わります。「頑張って稼いでも半分以上持っていかれるなら、働く時間を減らそう」という合理的な選択が生まれます。

実際、年収1,500万円前後で労働時間を調整するビジネスパーソンは増えています。月収120万円×12ヶ月の年収1,440万円と、月収140万円×10ヶ月+無収入期間2ヶ月の年収1,400万円。後者の方が税金面でも生活面でも「賢い選択」になりうるのが、日本の高税率構造の皮肉な一面です。

富裕層の資産防衛—税制優遇の3本柱(退職金・iDeCo・NISA)を極める

所得控除では限界があるため、富裕層の資産形成は「非課税枠」が主戦場です。退職金の優遇税制は前述の通り。iDeCoは掛金の所得控除(年276,000円×税率33%=年91,080円の節税)に加え、運用益非課税と受取時退職所得控除の3段階優遇が魅力です。

新NISAはつみたて投資枠年120万円+成長投資枠年240万円=年360万円の投資が生涯非課税。年収1,440万円の人が毎年360万円をNISAで運用すれば、5年で1,800万円の非課税運用枠が確保できます。これにiDeCoの年間276,000円を加えると、合計年387.6万円の税制優遇枠を活用できます。所得税率33%の人がこれらの枠をフル活用すれば、年間の税負担軽減効果は100万円を超えます。