事務職の手取り年収——一般事務・営業事務・医療事務の給与比較と手取り額

事務職は業種や規模によって給与幅が大きく、年収350万〜450万円が平均的な水準です。正社員の一般事務から派遣事務、医療事務まで多様な働き方があるため、自分の就業形態に合った手取り額を把握しておくことが重要です。令和7年(2025年)の税制に基づき、事務職のリアルな手取りを解説します。

事務職の平均年収380万円の場合の手取り額(年間)
約302万円
月額換算:約25.2万円 | 控除合計:約78万円(20.5%)

事務職の種類別 年収と手取り比較

事務職の種類別 年収・手取り目安
職種平均年収手取り年額手取り月額特徴
一般事務(中小企業)約350万円約282万円約23.5万円スキル不要、未経験可
一般事務(大企業)約450万円約355万円約29.6万円賞与・福利厚生が充実
営業事務約400万円約318万円約26.5万円Excel・受発注スキルが必要
医療事務約320万円約260万円約21.7万円レセプトスキルで昇給
経理事務約420万円約334万円約27.8万円簿記2級以上で年収UP
人事・総務事務約460万円約362万円約30.2万円社会保険労務士資格で有利

同じ事務職でも、経理や人事総務などの専門性の高い職種は年収で50万〜100万円の差がつきます。また、大企業と中小企業では基本給・賞与に大きな開きがあります。大企業の一般事務は賞与が年間4〜5ヶ月分支給されることも多く、年収ベースでは中小企業の経理を上回るケースもあります。

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税金の計算——年収380万円の場合

所得税の計算プロセス(年収380万円・令和7年度)

  1. 給与所得控除:380万円 × 30% + 8万円 = 122万円
  2. 給与所得:380万円 − 122万円 = 258万円
  3. 社会保険料控除:約56.2万円(健康保険約19万円+年金約34.8万円+雇用保険約2.3万円)
  4. 基礎控除:68万円
  5. 課税所得:258万円 − 56.2万円 − 68万円 = 133.8万円
  6. 所得税:133.8万円 × 5% = 66,900円

年収380万円では所得税率は5%で、税負担よりも社会保険料の影響が大きく感じられる年収帯です。手取りを増やすにはスキルアップによる年収アップが最も効果的です。

社会保険料の負担額

社会保険料 年額内訳(年収380万円)
保険の種類年間負担額月額
健康保険約190,000円約15,833円
厚生年金保険約347,700円約28,975円
雇用保険約22,800円約1,900円
合計約560,500円約46,708円

事務職のスキル別 年収アップの道筋

取得スキル別 事務職の年収・手取り変化
スキル・資格年収アップ幅手取り増加額(月額)取得難易度
MOS(Excel・Word)年10万〜20万円約0.6万〜1.2万円低(独学1〜2ヶ月)
日商簿記2級年30万〜60万円約1.8万〜3.6万円中(独学3〜6ヶ月)
社会保険労務士年80万〜150万円約4.8万〜9.0万円高(合格率約6%)
TOEIC 700点以上年30万〜50万円約1.8万〜3.0万円中(学習6〜12ヶ月)
VBA/マクロスキル年20万〜40万円約1.2万〜2.4万円中(独学3〜6ヶ月)

事務職からの収入アップには、業界特化型の専門スキル取得が近道です。特に日商簿記2級は経理事務へのキャリアチェンジに有効で、年収が30万円以上アップした事例が多くあります。また、VBA(Excelマクロ)のスキルは業務効率化に直結するため、社内評価が上がりやすく、昇給や転職に有利です。

事務職の月間生活費シミュレーション

月間収支シミュレーション(手取り25.2万円・単身・地方都市)
項目金額手取り比
家賃60,000円23.8%
食費35,000円13.9%
光熱費9,000円3.6%
通信費8,000円3.2%
交通費(私的利用)5,000円2.0%
交際費・趣味25,000円9.9%
被服・雑費12,000円4.8%
支出計154,000円61.1%
貯蓄可能額98,000円38.9%

手取り25.2万円の場合、月10万円の貯蓄を目標にすると支出は15.2万円以内に抑える必要があります。家賃6万円は単身者としては現実的な水準で、節約を心がければ十分達成可能です。年間約118万円の貯蓄ができ、10年で1,180万円の資産形成が可能です。

事務職の派遣と正社員の比較

派遣事務 vs 正社員事務 年収・手取り比較(時給1,600円派遣 vs 年収380万円正社員)
項目派遣社員正社員
月収(額面)約25.6万円(時給1,600円×160h)約25.3万円(月給+賞与の1/12)
社会保険料(月額)約38,000円約46,700円
賞与(年間)なし約76万円(4ヶ月分想定)
年収約307万円約380万円
手取り年額約252万円約302万円

時給が高い派遣事務は月収では正社員を上回ることもありますが、賞与がないため年収ベースでは正社員のほうが上回ります。派遣は時給が高い(1,800円〜2,000円)専門事務でなければ、正社員より年収面で不利になる傾向があります。

事務職の平均的な手取り月収は?
年収380万円の場合、月額約25.2万円(年間約302万円)です。年収の約20.5%にあたる約78万円が社会保険料と税金で控除されます。賞与月は手取りが増えるため、年間を通した月平均では約27万円程度になります。
事務職から給与を上げるには?
経理や人事など専門性の高い事務職へのシフトが効果的です。具体的には日商簿記2級(経理)、社会保険労務士(人事)、MOS資格取得後にIT系の事務職に転職する方法などがあります。また、外資系企業の事務職は語学力(TOEIC 700点以上)があれば年収500万円以上も可能です。
医療事務の手取りは?
医療事務の平均年収は約320万円、手取りは約260万円(月約21.7万円)です。ただし、診療報酬請求事務能力認定試験(医科)などの上位資格を取得すれば、年収350万〜400万円(手取り約282万〜318万円)も可能です。クリニックより総合病院のほうが給与水準は高めです。
事務職のパートと正社員では手取りはどのくらい違う?
パート事務(時給1,200円・週5日・6時間勤務)の年収は約173万円です。扶養内(年収103万円以下)であれば手取りは額面とほぼ同じですが、正社員の年収380万円(手取り302万円)と比べると約130万円の差があります。社会保険加入の有無や将来の年金額も大きく異なるため、長期的な視点で就業形態を選ぶことが重要です。
事務職の退職金相場は?
大企業の正社員事務で勤続30年の場合、退職金は約1,500万〜2,000万円が目安です。中小企業では500万〜1,200万円と幅があります。派遣社員には退職金制度がないため、自分で資産形成(iDeCoやNISA等)を行っておくことをおすすめします。