年収380万円の手取りは300万円——金沢から東京にUターンして「見えた景色」

同じ年収380万円でも、金沢と東京では手元に残るお金がまるで違う。3年間の地方暮らしを経て、いま東京に戻ってきた私が「可処分所得の正体」について考える。

年収380万円の手取り(年間)
約300万円
月額手取り:約25万円 / 東京と金沢の可処分所得差は月約4万円

同じ給料なのに、なぜ手元に残るお金がこんなに違うのか

私はシステムエンジニアとして、まず東京の会社に4年勤めたあと、金沢の支社に異動しました。基本給は変わらず年収380万円。しかし、生活の質は劇的に変わりました。

項目月額年額
額面月収約31.7万円380万円
健康保険料(協会けんぽ)約1.6万円約19万円
厚生年金保険料約2.9万円約34.8万円
雇用保険料約1,900円約2.3万円
所得税約6,500円約7.8万円
住民税約1.6万円約19.2万円
手取り約25万円約300万円

金沢vs東京——手取り25万円の「実力」を
比較する

金沢での生活費を振り返ってみます。家賃は中心部からバスで15分の1LDKで5万円(駐車場込み)。同じ広さ・築年数なら東京では軽く10万円を超えます。この時点で月5万円の差がついています。

食費は約3万円。近江町市場で買う新鮮な魚介が驚くほど安い。外食も、のどぐろの塩焼き定食が1,200円で食べられる。東京で同じものを食べたら3,000円は下らないでしょう。

ただし、地方には地方のコストがあります。車の維持費が月2万円(ローン・保険・ガソリン・駐車場)。東京時代は不要だった出費です。それでもトータルの支出差は月3〜4万円、地方の勝ちというのが私の結論です。

家賃差

金沢:5万円(1LDK)
東京:10.5万円(同条件)
差額:+5.5万円/月

食費・外食差

金沢:3万円/月
東京:4万円/月
差額:+1万円/月

車維持費(地方のみ)

金沢:2万円/月
東京:0円
差額:−2万円/月

つまり、月4.5万円、年間54万円もの可処分所得の差が生まれているのです。これは「年収に換算すると70〜80万円の差」に匹敵します。年収380万円の地方暮らしは、感覚的には東京の年収450万円に近い生活水準と言えるでしょう。

地方都市で手取りを最大化する3つの条件:①家賃6万円以下 ②車は中古のコンパクトカー ③リモートワーク可能な職種を選ぶ。この3つを満たせば、年収380万円でも年間100万円の貯金が現実的です。

手取り300万円で「ミニマムFIRE」は可能か——地方の選択肢

金沢に住んでいるとき、「このままここで暮らし続ければ、60歳で退職するより前に経済的自立ができるのではないか」と本気で考えました。毎月10万円貯金して年利4%で運用すれば、20年後には約3,600万円。年間生活費200万円なら、4%ルールで資産5,000万円が必要ですが、地方なら生活費180万円でも十分なので、4,500万円。あと少しです。

東京では同じペースで貯金すること自体が難しい。年収380万円の手取りで東京に住むことと、地方で暮らすこと——それは単なる「住む場所の選択」ではなく、人生設計そのものの選択なのだと痛感しています。

年収380万円の「地域格差」に関するQ&A

Q. 年収380万円の手取りはいくらですか?
年間約300万円、月額約25万円です。社会保険料と税金で約80万円(約21%)が控除されます。
Q. 地方と都会、年収380万円ならどちらが貯金しやすいですか?
圧倒的に地方です。家賃差だけで年間50〜60万円の差が出るため、同じ生活水準なら地方のほうが年間50万円以上多く貯金できます。ただし車の維持費(年間20〜25万円)を忘れずに織り込んでください。
Q. Uターン・Iターン転職で年収は下がりますか?
業界と職種によります。製造業や建設業は地方でも給与水準が高い一方、IT系は東京と地方で100万円以上の開きがあるケースも。ただしリモートワーク可能な企業なら、東京の給与水準のまま地方で働ける「所得の二重取り」が可能です。
Q. 地方で年収380万円、住宅ローンは現実的ですか?
非常に現実的です。金沢市の平均的な新築一戸建ては2,500〜3,500万円。年収380万円で借入可能額は約2,500万円なので、頭金を500万円用意すれば十分手が届きます。月々の返済額は約7万円と、賃貸より若干高い程度です。
Q. 移住支援金は年収条件がありますか?
東京23区からの移住で最大100万円(単身)の支援金がありますが、年収条件はありません。ただし移住先企業での就業が条件となるため、転職を伴う移住になります。
Q. 地方の社会保険料は都会と違いますか?
健康保険料率は都道府県によって異なります(協会けんぽの場合)。石川県は東京都よりやや低めですが、その差は月数百円レベルで、家計への影響はごくわずかです。