年収620万円の手取りは480万円——サラリーマンが不動産投資を始めてわかった「手取りを合法的に増やす」仕組み
給与だけでは手取りは増えない。でも、不動産所得を組み合わせると——税制の仕組みが味方になる瞬間がある。
年収620万円の手取り(給与のみ・年間)
約480万円
月額手取り:約40万円 / 不動産所得を加えた実質手取り:約515万円
税引き前と後——給与620万円が手取り480万円になるまで
まずはベースを整理します。私(38歳、メーカー勤務、妻子あり)の給与収入です。役職は係長で、残業代込みの月収は約51.7万円。ボーナス含めて年収620万円。
| 控除項目 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 額面月収 | 約51.7万円 | 620万円 |
| 健康保険料 | 約2.6万円 | 約31.2万円 |
| 厚生年金保険料 | 約4.7万円 | 約56.4万円 |
| 雇用保険料 | 約3,100円 | 約3.7万円 |
| 所得税(扶養あり) | 約1.2万円 | 約14.4万円 |
| 住民税 | 約2.9万円 | 約34.8万円 |
| 手取り | 約40万円 | 約480万円 |
不動産投資の「見えない手取り」——減価償却がもたらす
節税効果
私が2年前に購入したのは、都内の築15年中古ワンルーム。物件価格1,500万円、家賃収入は月7.5万円(年90万円)。管理費と修繕積立金で年18万円、固定資産税が年6万円、ローン金利が年15万円。経費合計で年39万円です。
ここに「減価償却費」が加わります。建物価格750万円を法定耐用年数22年で償却すると、年約34万円が経費計上できます。つまり——
- 家賃収入:90万円
- 経費(管理費等):39万円
- 減価償却費:34万円
- 不動産所得:90万 − 39万 − 34万 = 17万円
帳簿上の所得はわずか17万円。しかし実際のキャッシュフローは——家賃収入90万円 − 経費39万円 − ローン返済(元本+金利)約72万円 = 約−21万円の持ち出し。でも減価償却費34万円分が「帳簿上の赤字」となって給与所得と損益通算され、約10万円の税金が還付されます。実質的な年間負担は約11万円です。
1年目
物件購入時の諸費用(約100万円)が経費に。確定申告で所得税が約20万円還付。
2〜5年目
減価償却による損益通算がピーク。毎年10〜15万円の節税効果。
ローン完済後
家賃収入がほぼそのまま手取りに。月7.5万円×12=年90万円の不労所得に。
給与+不動産の「合算手取り」を計算する——結局、手元に残るのはいくらか
損益通算後の総所得は、給与所得(約425万円)+不動産所得(17万円)= 約442万円。このベースで所得税と住民税が再計算されます。給与のみの場合と比べて——
| 項目 | 給与のみ | 給与+不動産 |
|---|---|---|
| 年収/総収入 | 620万円 | 710万円 |
| 社会保険料 | 約91万円 | 約91万円 |
| 所得税+住民税 | 約49万円 | 約44万円 |
| 税引後手取り | 約480万円 | 約485万円 |
| 不動産CF(実質) | — | 約−11万円 |
| 実質手取り | 約480万円 | 約474万円 |
つまり、いまはまだマイナス。しかしローン完済後は年間+90万円が乗ってくる計算です。「いま赤字でも、20年後には黒字」——これがサラリーマン大家のタイムラインです。
不動産投資の税金TIP:減価償却を終えた物件を売却する際、譲渡所得が大きくなりやすい点に注意。売却時の税率(長期譲渡で20.315%)を見据えて、買い替え特例や繰り延べ制度の活用を検討しましょう。
給与所得者+不動産投資の疑問Q&A
- Q. 年収620万円の手取りはいくらですか?
- 給与のみで年間約480万円、月額約40万円です。不動産所得がある場合は総所得ベースで税額が再計算され、手取り感覚が変わります。
- Q. サラリーマンが不動産投資を始めるなら、年収いくらから?
- 最低でも年収500万円以上が目安です。金融機関の融資審査では、年収の30〜35%が年間返済額の上限とされるため、年収620万円なら年間約200万円=月約17万円の返済が可能。物件価格3,000〜4,000万円が射程に入ります。
- Q. 減価償却が終わったら手取りは減りますか?
- 減価償却終了後の不動産所得は「実際の収支以上に課税される」ため、税金面では不利になります。ただしローンも同時期に終わっていれば、キャッシュフローは大幅に改善します。出口戦略(売却か保有継続か)は償却終了5年前から検討を。
- Q. 損益通算の上限はありますか?
- 土地の取得に要した借入金利子は損益通算の対象外です。建物部分の借入金利子のみが対象。それ以外の経費や減価償却費による赤字は全額、給与所得と損益通算できます。
- Q. 不動産投資で住民税は減りますか?
- 減ります。損益通算は所得税だけでなく住民税にも適用されるため、給与所得が実質的に圧縮されて住民税も減少します。年収620万円なら年間3〜5万円の住民税削減が期待できます。
- Q. 2棟目を買うべきタイミングは?
- 1棟目のローン返済が安定し、年間の実質CFがプラスに転じてからが安全です。また、金融機関は2棟目以降の融資に慎重になるため、1棟目の返済実績を2年以上積んでからの申し込みが現実的です。