年収880万円の手取り646万円——大阪在住・メーカー課長が「東京転勤」を断った本当の理由
東京本社への転勤打診に「年収100万円アップ」と言われた。でも電卓を叩いたら、大阪のままの方が手元に残るお金は多かった。
大阪生まれ大阪育ち、40歳課長——給与明細と「ええとこ取り」の生活
大手電機メーカーの大阪事業所で、設計部門の課長をしています。年収880万円の内訳は、基本給52万円+役職手当7万円+家族手当3万円+残業代込みで月約73万円。ボーナスは年に5ヶ月分。世間的に見れば「勝ち組」なのかもしれませんが、それでも手取りは月54万円弱です。
| 控除項目 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 額面月収 | 約73.3万円 | 880万円 |
| 健康保険料 | 約3.6万円 | 約43.2万円 |
| 厚生年金保険料(上限) | 約6万円 | 約72万円 |
| 雇用保険料 | 約4,400円 | 約5.3万円 |
| 所得税(扶養控除あり) | 約3.5万円 | 約42万円 |
| 住民税 | 約5.8万円 | 約69.6万円 |
| 手取り | 約53.8万円 | 約646万円 |
「年収880万円で手取り646万円て、しょぼいなあ」——それが正直な感想です。控除合計は234万円。率にして26.6%。日本のサラリーマンの宿命ですが、課税所得が増えるほど、この「取られる感覚」は強くなります。
東京転勤で年収980万円——手取りは増える、でも
生活は?
昨年、東京本社の部長職の打診がありました。年収は約100万円アップの980万円。手取りにすると約710万円で、現在より64万円の増加。単純に「やった!」と思いますよね。
でも、引っ越しを前提に生活費を試算してみると——
| 費目 | 大阪(現在) | 東京(試算) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 住宅費(3LDK) | 月12万円(持ち家) | 月18万円(賃貸) | +72万円/年 |
| 教育費(私立中学) | 年80万円 | 年110万円 | +30万円/年 |
| 食費・外食費 | 月8万円 | 月10万円 | +24万円/年 |
| 通勤費(超過分) | 月5,000円 | 月1.5万円 | +12万円/年 |
| 年間支出増 | — | — | +138万円 |
手取り増加分64万円に対して、支出増は138万円。差し引き年間74万円のマイナス。これが「東京転勤の落とし穴」です。表面的な年収アップに釣られてはいけません。
持ち家の強み
7年前に購入した
大阪市内の新築マンション
3,800万円・月返済11万円
あと28年で完済
教育費の地域差
同じ私立中学でも
東京は大阪より
授業料が2〜3割高い
塾代も同様
食文化のコスパ
大阪は外食が安くてうまい
ランチ900円で満足
東京なら1,300円コース
「地域給与差」を味方につける——関西にいながら東京の給料をもらう方法
結局私は東京転勤を断りました。かわりに、リモートワークを活用して東京本社のプロジェクトに参画し、プロジェクト手当(月3万円)を獲得。さらに特許出願を増やして報奨金を年20万円上乗せ。居住地は大阪のまま、年収だけ東京水準に近づける「ハイブリッド戦略」です。
これが実現できたのは、コロナ禍でリモートワークが定着したおかげ。以前なら「転勤しないとキャリアアップできない」と言われましたが、いまは違います。働く場所と給与水準を分けて考えられる時代——「住む場所の裁定」こそが、令和のサラリーマンに残された最大の手取り最適化手法だと確信しています。
関西サラリーマンの手取りと生活Q&A
- Q. 年収880万円の手取りはいくらですか(大阪の場合)?
- 年間約646万円、月額約53.8万円です。東京都と大阪府では住民税率に差はなく、社会保険料(協会けんぽの場合)の料率もほぼ同じ。手取り額に地域差はほぼありません。
- Q. 東京転勤で家を売るか貸すか、どちらが有利ですか?
- 売却すると譲渡所得税(居住用なら3,000万円控除あり)が発生する可能性があります。賃貸に出せば家賃収入を得られますが、住宅ローン控除が受けられなくなる点に注意。転勤期間が3年以内なら「空き家管理」+週末帰宅、長期なら賃貸が現実的です。
- Q. 関西のボーナス相場は東京より低いですか?
- 同じ企業なら支店間格差は基本的にありません。ただし関西本社の企業と東京本社の企業では、ボーナスの月数や算定基準に差があり、同じ業界でも関西の方がやや低め(0.5〜1ヶ月分程度)の傾向です。
- Q. 大阪の私立中学、学費は実際いくらですか?
- 初年度は入学金+授業料+施設費で約100〜120万円。2年目以降は年70〜90万円。東京より2〜3割安いとはいえ、共働き+年収880万円でも月6万円の負担は決して軽くありません。
- Q. 関西で「持ち家+高年収」の最強コンボ、具体的にどう組む?
- 大阪市内から私鉄で20〜30分のエリア(吹田、豊中、西宮あたり)で、3,500〜4,500万円の新築または築浅マンション。頭金2割+35年ローンで月返済10〜13万円。賃貸より月3〜5万円得する計算で、10年で360〜600万円の差になります。
- Q. 転勤を断ってキャリアが止まるリスクは?
- 率直に言って、あります。特に製造業では「本社勤務経験」が役員登用の暗黙の条件になっている企業も多いです。ただしリモート前提の組織改革が進めば、この慣行も変わっていくでしょう。私は管理職止まりでも構わない——その覚悟で「住む場所の自由」を選びました。