残業5時間でいくら? ─ 時給帯別・労働区分別のリアル計算

「今月5時間だけ残業したらいくらになる?」という日常的な疑問に、具体的な数字で答えます。時給1,000円から2,500円まで、法定時間外・深夜・休日の3区分で計算結果を一覧化しました。

残業5時間の金額一覧 ─ 時給×割増率×5時間

計算式は以下の通りシンプルです:基礎時給 × 割増率 × 5時間。これを時給帯別・労働区分別にまとめたのが次の表です。自分の時給に最も近い行を探してご確認ください。

残業5時間の時給別・区分別残業代一覧(単位:円)
基礎時給法定時間外(×1.25)深夜残業(×1.50)休日労働(×1.35)休日+深夜(×1.60)
1,000円6,2507,5006,7508,000
1,100円6,8758,2507,4258,800
1,200円7,5009,0008,1009,600
1,350円8,43810,1259,11310,800
1,500円9,37511,25010,12512,000
1,750円10,93813,12511,81314,000
2,000円12,50015,00013,50016,000
2,300円14,37517,25015,52518,400
2,500円15,62518,75016,87520,000

5時間残業のリアル ─ 手取り
額の目安

上記の金額はすべて額面(総支給額)です。実際の手取りは社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)の約15%と所得税が控除されます。5時間残業代単体では月々の給与全体に与える変動が小さいため、おおむね額面の80〜85%を手取りの目安としてください。

時給1,200円・法定時間外5時間残業の手取りシミュレーション
項目金額(円)備考
残業代(額面)7,5001,200 × 1.25 × 5
健康保険料(約5%)−375協会けんぽ 東京都の場合
厚生年金(約9.15%)−686令和6年度保険料率
雇用保険(約0.6%)−45一般の事業
所得税(概算)−200月収による変動あり
手取り合計約6,194額面の約82.6%

「5時間」という時間数の持つ意味 ─ 健康管理の観点から

1日5時間の残業は、8時間の所定労働と合わせて13時間の拘束時間となります。これが月に10回発生すれば月50時間の時間外労働となり、厚生労働省が「健康障害のリスクが高まる」と警鐘を鳴らす水準です。月45時間を超える時間外労働に対しては、医師による面接指導の実施が事業者の努力義務となっています。

5時間残業が日常化している職場では、36協定の上限規制(原則月45時間・年360時間)に抵触する可能性が極めて高くなります。自分の働き方が適法な範囲内にあるか、定期的に確認する習慣を持ちましょう。

月給制の場合の5時間残業代の計算手順

月給制の方は、まず基礎時給を算出する必要があります。計算式は「月給(各種手当を除く)÷ 月の所定労働時間」です。月の所定労働時間は「1日の所定労働時間 × 月の所定労働日数」で求めます。たとえば月給28万円、1日8時間勤務、月20日勤務の場合は 280,000 ÷ (8×20) = 1,750円が基礎時給となり、5時間の法定時間外残業代は 1,750 × 1.25 × 5 = 10,938円となります。

5時間残業が「続いた場合」の月・年シミュレーション

1日5時間の残業はその日だけなら数千円ですが、毎日や週に何回も続けば月の残業代は大きく膨らみます。時給1,200円の人が「5時間残業を週に何回」行うかで、1か月(約4.3週)の残業代がどう変わるかをまとめました。

時給1,200円・5時間残業の頻度別シミュレーション(法定時間外)
週あたりの回数月の残業時間月の残業代(×1.25)
週1回約21.5時間約32,250円
週2回約43時間約64,500円
週3回約64.5時間約96,750円
週4回約86時間約129,000円

週3回以上になると月60時間を超え、超過分には50%の割増率が適用されるため、実際には表の金額より高くなります。いずれにしても月45時間を超える水準であり、健康面でも36協定の上限規制(月45時間・年360時間)の面でも注意が必要です。

固定残業代(みなし残業)の人は5時間残業で追加がもらえる?

「残業代込み」の給与体系(固定残業代・みなし残業)を採用している会社では、契約上の固定時間内の残業は追加支払いの対象になりません。たとえば固定残業時間が20時間の会社で、実際の残業が月15時間なら追加の残業代は発生しません。

固定残業代を確認する3つのポイント

  • 固定時間数を把握する ─ 給与明細や雇用契約書に「20時間分」などの記載があるか確認
  • 固定時間を超えた分は必ず支払い義務がある ─ 超過分には通常の割増率で追加支払いが必要
  • 基礎賃金との区別が不明確だと無効になる可能性 ─ 残業代と区別できない「残業代込み」表記は問題

自分が固定残業代の対象かを知らないまま働いている人は少なくありません。給与明細の「残業手当」欄が固定額の場合は、固定時間数を確認しておきましょう。

残業5時間を減らすためにできること

「5時間程度なら仕方ない」と諦めずに、次のような工夫で残業時間を削減できます。残業代をもらうこと以上に、時間そのものを取り戻すことが長期的な収入と生活の質の向上につながります。

  1. 残業の理由を記録する ─ 1週間の残業を書き出し、原因を特定する(会議の長引く、依頼の集中など)
  2. 業務の優先順位と期限を上司と共有する ─ すべて抱え込まず、できないことは早めに伝える
  3. 定時退社の日を決める ─ 週1日「ノー残業デー」を設定し、締め切りまでに仕事を畳む習慣をつける
  4. 勤怠管理を徹底する ─ タイムカードや勤怠アプリを正確に記録し、労働時間の実態を可視化する

よくある質問

残業5時間の場合、手取りはいくらになりますか?
時給1,200円の場合、法定時間外残業5時間の残業代は7,500円(1,200円×1.25×5時間)です。手取りは社会保険料と所得税が控除されるため、おおむね6,000〜6,500円程度になります。5時間分の残業代単体では控除額の変動は小さく、額面の80〜85%が手取りの目安です。
時給1,000円の人が5時間残業するといくらですか?
時給1,000円×割増率1.25×5時間=6,250円です。これが法定時間外労働の場合の残業代です。深夜(22時以降)の5時間残業であれば、深夜割増25%が加算され1,000円×1.50×5時間=7,500円となります。休日労働の場合は1,000円×1.35×5時間=6,750円です。
5時間の残業は法律上問題ありますか?
1日あたり5時間の残業は、法定労働時間8時間と合わせて13時間労働となり、労使協定(36協定)の締結・届出が必要です。また、時間外労働が月45時間を超えると健康障害のリスクが高まるため、医師による面接指導の対象となる可能性があります。5時間残業が常態化する場合は違法の可能性があるため注意が必要です。
残業代の計算で端数処理はどうなりますか?
割増賃金の計算では、1時間未満の端数は30分以上を1時間に切り上げる処理が原則です。ただし、1日の時間外労働の合計が30分未満の場合は切り捨てることができます。また、1か月の合計時間外労働についても、30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げるのが一般的な運用です。
パートでも同じ割増率で残業代がもらえますか?
はい。パートタイム労働者であっても、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた場合の割増率は正社員と同じです。また、所定労働時間(例:1日6時間契約)を超えて8時間未満の労働については、法定労働時間内のため割増賃金は発生しませんが、通常賃金の支払いは必要です。