時給計算から月給を求める——基本式から手取りまで完全マニュアル

「時給○○円」と聞いて、月収がいくらになるのかパッと計算できる人は意外と少ないものです。求人票に書かれた時給と、実際に口座に振り込まれる金額の間には、勤務時間・残業・控除という3つのフィルターがあります。このページでは、それらをすべて考慮した現実的な計算方法を紹介します。

基本の計算式——時給×労働時間がすべての出発点

月給を求める基本式は以下のとおりです。

月給(額面)= 時給 × 1日の労働時間 × 月間勤務日数

ただし「月間勤務日数」をどう設定するかで数字が大きく変わります。最もよく使われる基準は「週5日勤務=月約21日」「週4日勤務=月約17日」「週3日勤務=月約13日」です。これは年間の営業日数(約250日)を12で割った簡易換算です。

実例:時給1,300円・1日6時間・週4日勤務の場合

  1. 月間労働時間:6時間 × 17日 = 102時間
  2. 月給(額面):1,300円 × 102時間 = 132,600円

ここから税金と社会保険料が引かれます(後述)。

残業代・深夜割増を含めた計算——実際の給与明細はも
っと複雑

基本の計算式に加えて、時間外労働や深夜勤務が発生すると割増賃金が加算されます。法定の割増率は以下のとおりです。

割増賃金の種類と計算方法
割増の種類割増率適用条件計算式の例(時給1,200円)
時間外(残業)25%以上1日8時間または週40時間を超えた分1,200 × 1.25 = 1,500円
深夜25%以上22時~翌5時の労働1,200 × 1.25 = 1,500円
時間外+深夜50%以上深夜帯に残業が重なる場合1,200 × 1.50 = 1,800円
法定休日35%以上週1回の法定休日に勤務1,200 × 1.35 = 1,620円
法定休日+深夜60%以上休日の深夜勤務1,200 × 1.60 = 1,920円
月60時間超の残業50%以上月60時間を超えた時間外労働(中小企業は猶予あり)1,200 × 1.50 = 1,800円

割増込みの月給計算例

時給1,300円、1日7時間、週5日(月20日)勤務で、月に10時間の残業(うち5時間は深夜帯)があった場合:

  • 基本賃金:1,300円 × 7h × 20日 = 182,000円
  • 通常残業(5時間):1,300 × 1.25 × 5h = 8,125円
  • 深夜残業(5時間):1,300 × 1.50 × 5h = 9,750円
  • 月給合計(額面):199,875円

残業が月10時間あるだけで、基本給から約18,000円も上乗せされる計算になります。

手取り額の算出——額面から実際に引かれるもの

額面の月給から控除される主な項目は以下のとおりです。

①所得税(源泉徴収)

月収88,000円未満は非課税。88,000円を超えると「給与所得の源泉徴収税額表」に従って税額が決まります。月収20万円の場合、扶養親族0人で約5,000~7,000円が目安です。

②社会保険料(厚生年金+健康保険)

週20時間以上かつ月収88,000円以上の勤務で加入対象になります。保険料率はおよそ給与の15%(会社と折半で本人負担は約7.5%)。月収20万円なら約15,000円が天引きされます。

③雇用保険料

週20時間以上勤務で加入。2026年の本人負担率は0.6%です。月収20万円なら1,200円。

手取り早見表(社保加入・扶養0人のケース)

時給別・月給と手取りの目安(週5日・1日7時間=月140時間勤務)
時給額面月給手取り(概算)控除額合計
1,100円154,000円133,000円約21,000円
1,200円168,000円144,000円約24,000円
1,300円182,000円156,000円約26,000円
1,400円196,000円167,000円約29,000円
1,500円210,000円178,000円約32,000円
1,800円252,000円213,000円約39,000円
2,000円280,000円236,000円約44,000円

※上記はあくまで目安です。実際の手取り額は居住地(住民税率)や扶養家族の有無で変動します。

逆算——希望の月収を得るには何時間働けばいいか

「手取り18万円ほしい」という目標がある場合、そこから逆算してみましょう。

計算手順:

  1. 手取り18万円 → 額面は約21.5万円必要(社保加入・扶養0人の場合)
  2. 時給1,300円の場合:215,000 ÷ 1,300 ≒ 165時間/月
  3. 週5日勤務なら1日8時間超(165 ÷ 20日 ≒ 8.25時間)
  4. 現実的には時給を上げるか、残業を月5~10時間入れる必要あり

手取りを増やす最も効率的な手段は「勤務時間を増やす」より「時給の高い職場に移る」ことです。1日8時間の週5勤務でヘトヘトになるより、時給2,000円の仕事を週3日・1日7時間(月84時間=月収168,000円)のほうが、自由時間も収入も両立できるケースが多いからです。

よくある質問

時給から月給を計算するとき「月の労働日数」は何日で計算すればいいですか?
派遣や正社員の月給換算では「月平均所定労働日数=約21日(年間250日÷12)」が標準的です。アルバイトはシフト制のため月によって変動しますが、週5日勤務なら月20~22日、週4日なら17~18日、週3日なら12~13日で計算するのが実用的です。厳密な数字が必要な場合は、3ヶ月分のシフト表の平均を取ると正確です。
時給1,200円で扶養内(103万円以内)で働くには月何時間までですか?
103万円 ÷ 1,200円 ≒ 858時間が年間上限です。月に直すと約71.5時間。週5日勤務なら1日3.5時間以内、週4日なら1日4.5時間以内、週3日なら1日6時間以内が目安です。年末に調整しやすいように、月82時間程度で余裕を持たせておくことをおすすめします。
時給計算でよくある間違いは?
最も多い間違いは「1ヶ月=4週間」と計算してしまうことです。月は約4.3週間なので「週の労働時間 × 4」では約7%少なく見積もってしまいます。正しくは「週の労働時間 × 4.33」または「1日の労働時間 × 月間勤務日数」を使いましょう。もう一つの間違いは「交通費込みの時給」と「交通費別の時給」を混同すること。求人票の時給に交通費が含まれているかどうかで、実質手取りは大きく変わります。
スマホでかんたんに時給計算できる電卓サイトはありますか?
当サイト内の時給計算ツールで、時給・勤務時間・勤務日数を入力すると即座に月給と年収の概算が表示されます。またGoogle検索で「時給 ○○円 月収」と検索すると、Googleの電卓機能で簡易計算も可能です。ただし控除額までは計算されないため、詳しい手取り額を知りたい場合は本ページの早見表を参照してください。