ボーナス140万円の手取り——社会保険の「壁」まであと10万円の攻防
額面140万円のボーナス。ここまで来ると、厚生年金の標準賞与額上限150万円が目前です。あと10万円増えれば年金保険料が頭打ちになる——この10万円の差が社会保険料の計算において決定的な意味を持ちます。140万円のボーナスは、フルに社会保険料がかかる「最後の高額ゾーン」と言えるでしょう。
140万円の天引きフルコース——社会保険料20.6万円の重み
上限が一切適用されない中での最大級のボーナス。控除額は桁違いです。
| 項目 | 計算式 | 金額 |
|---|---|---|
| 総支給額 | — | 1,400,000円 |
| 健康保険料(5.0%) | 1,400,000 × 5.0% | -70,000円 |
| 厚生年金保険料(9.15%) | 1,400,000 × 9.15% | -128,100円 |
| 雇用保険料(0.6%) | 1,400,000 × 0.6% | -8,400円 |
| 社保控除後 | — | 1,193,500円 |
| 源泉所得税(概算) | 1,193,500 × 約9% | -107,000円 |
| 手取り額 | — | 1,086,500円 |
| 控除総額 | — | 313,500円 |
| 手取り率 | — | 77.6% |
手取り率約77.6%は、上限に達するまでのゾーンでほぼ最低の水準です。額面の4分の1近くが天引きされる現実を直視しなければなりません。
140万円vs170万円——上限突破直後の手取り率急上昇を検証
年金上限150万円を境に、社会保険料の実質負担率が激変します。数値で比較します。
| 項目 | 140万円(上限未達) | 170万円(上限超過) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 額面増加 | — | +300,000円 | 300,000円 |
| 年金保険料 | 128,100円 | 137,250円(上限) | +9,150円 |
| 健康保険料 | 70,000円 | 85,000円 | +15,000円 |
| 増加額面に対する追加控除 | — | 約39,150円 | — |
| 増分の実質手取り | — | 約260,850円 | 手取り率87.0% |
150万円を超えた分の30万円に対して、追加の社会保険料は年金分ゼロ+健康保険と雇用保険のみ。つまり30万円の増額分は約87%が手取りになる計算です。これが上限制度の最大の恩恵です。
140万円ボーナス層のための税務戦略——個人型確定拠出年金と一般NISAの最適併用
手取り約109万円をどう守るか。所得税率が高い層だからこそ、控除の活用が大きな差になります。
| 制度 | 年間上限 | 節税効果 | 資産形成 |
|---|---|---|---|
| iDeCo(企業年金なし) | 月額68,000円(年81.6万円) | 約16〜25万円/年 | 60歳以降受取 |
| つみたてNISA | 年間120万円 | 運用益非課税 | いつでも引出可 |
| 成長投資枠 | 年間240万円 | 運用益非課税 | いつでも引出可 |
| 経営者なら小規模企業共済 | 月額7万円(年84万円) | 掛金全額所得控除 | 退職金扱い |
このレベルのボーナス受給者は、使途未定の手取りを「とりあえず貯金」で終わらせるのではなく、制度をフル活用した計画的な資産形成にシフトすべきフェーズです。
よくある質問
- ボーナス140万円だと所得税の税率は何パーセント?
- 源泉徴収の段階では前月の給与(社保後)によって税率が決まります。前月給与が50万円超の場合、賞与の源泉徴収税率は約8〜10%前後です。年末調整後の実効税率は扶養家族の有無で異なり、課税所得に応じて5%〜20%の累進税率が適用されます。
- 140万円のボーナスが2回(夏冬)出たら健康保険の上限(573万円)はどうなる?
- 140万円×2回=280万円で、年度累計573万円の上限には達しません。健康保険料の上限が適用されるのは年間の賞与総額が573万円を超えた場合のみで、140万円クラスでは健康保険料の上限は気にする必要がありません。
- 140万円のボーナスをもらった年の翌年、住民税はいくら上がる?
- 住民税は前年の所得に課税されるため、ボーナス140万円を含む高年収の年は、翌年度の住民税が大幅に上がります。年収2,000万円の場合、住民税は約100万円以上になります。月々の給与天引き額が大きく増えるため、生活費の見直しが必要です。
- 賞与140万円の場合、標準賞与額はいくらになりますか?
- 標準賞与額は支給額から1,000円未満を切り捨てますので、140万円の場合は1,400,000円です。これに各保険料率を乗じて保険料が計算されます。