ボーナス120万円の手取り——上場企業役員級の賞与と「上限ボーダー」の真実

額面120万円のボーナス——役員や事業部長クラス、外資系金融・コンサルティングファームのプロフェッショナル職に支給される水準です。この金額は厚生年金の標準賞与額上限150万円まであと30万円。上限の恩恵を目前にしながら、まだ全額に年金保険料9.15%がかかる過渡期の金額です。

120万円のボーナス解体——控除総額約25.5万円の構造

120万円から引かれるお金を、社会保険料と所得税に分けて詳しく見ていきます。

ボーナス120万円の控除内訳(前月給与社保後50万円想定)
控除項目計算金額累計残額
総支給額1,200,000円1,200,000円
健康保険料1,200,000 × 5.0%-60,000円1,140,000円
厚生年金保険料1,200,000 × 9.15%-109,800円1,030,200円
雇用保険料1,200,000 × 0.6%-7,200円1,023,000円
源泉所得税1,023,000 × 税率(概算)-78,000円945,000円
手取り945,000円

手取り率は78.8%。社会保険料だけで17.7万円が控除されるため、額面のイメージより約25万円も少ない金額が実際に振り込まれます。

120万円→150万円→200万円、手取り率はどう変わる?

厚生年金の上限150万円を境に、ボーナスの手取り率は大きくジャンプします。そのメカニズムを数値で確認しましょう。

上限150万円前後の手取り率比較
額面年金保険料社保合計源泉税(概算)手取り手取り率
120万円109,800円177,000円78,000円945,000円78.8%
150万円137,250円221,250円105,000円1,173,750円78.3%
150万円超〜137,250円(固定)220,750円+α税率変動上昇
170万円137,250円(上限)228,250円110,000円1,361,750円80.1%
200万円137,250円(上限)249,250円125,000円1,625,750円81.3%

120万円から150万円に増えても手取り率はほぼ横ばいですが、150万円を超えると年金保険料が固定されるため、追加で受け取った分の手取り率が格段に上がります。

役員層のボーナス活用法——資産管理会社と保険の活用

120万円クラスのボーナス受給者は、もはや「使う」ことよりも「増やす」「守る」ことに重点を置く段階です。

高額ボーナス層の資産戦略オプション
戦略概要メリット注意点
NISA成長投資枠満額年240万円の非課税投資売却益・配当完全非課税枠消化後に追加投資は課税
iDeCo拠出年額最大81.6万円まで所得控除拠出時・運用時・受取時すべて優遇60歳まで原則引き出せない
不動産投資賃貸物件の購入減価償却費で節税空室リスク・金利変動
養老保険・変額保険貯蓄性のある生命保険満期返戻金+保険料控除中途解約で元本割れ

どれかひとつに集中せず、複数の手段を組み合わせた分散戦略をとることが重要です。

よくある質問

ボーナス120万円の会社負担分はいくら?
同じ社会保険料率で計算します。健康保険5.0%(6万円)、厚生年金9.15%(109,800円)、雇用保険0.95%(11,400円)、さらに労災保険や子ども・子育て拠出金が加わり、会社側の負担は約19〜20万円になります。
ボーナス120万円を一括で受け取るのと分割して受け取るのでは税金は違う?
源泉所得税の計算上、ボーナスを分割して支給すると、それぞれの支給ごとに源泉徴収税額が計算されるため、理論上の差はほとんどありません。ただし社会保険料の上限が絡む場合は、分割することでそれぞれに上限が適用される可能性があり、分割のほうが手取りが増えるケースがあります。
賞与の社会保険料を自分で計算して間違っていないか確認する方法は?
給与明細の賞与欄に標準賞与額が記載されています。これに健康保険料率(協会けんぽの場合、都道府県別に公表)と厚生年金料率9.15%(折半の本人負担分)を掛ければ計算できます。不明な点は総務・経理担当者に確認しましょう。
ボーナス120万円なら扶養控除等申告書はどう書くべき?
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は賞与の源泉徴収にも影響します。扶養家族がいる場合は必ず正確に記載しましょう。記載がないと甲欄ではなく乙欄の高い税率が適用される可能性があります。

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