派遣社員の手取り——時給1,500円〜2,500円のリアルな月収と控除の内訳
派遣社員の給与は時給制が基本であり、勤務日数や残業時間によって月収が大きく変動します。また、社会保険の加入有無によって手取りの割合が大きく異なる点が正社員との大きな違いです。令和7年(2025年)の最新制度に基づき、派遣社員の手取りを時給帯別に詳しく試算します。
時給帯別・派遣社員の月収と手取り早見表
派遣社員の月収は「時給 × 1日8時間 × 月20〜22日」で算出されます。以下に主要な時給帯での手取り目安をまとめました(社会保険加入・週5日勤務想定)。
| 時給 | 月収(額面) | 社会保険料 | 所得税+住民税 | 手取り月額 |
|---|---|---|---|---|
| 1,300円 | 約20.8万円 | 約30,500円 | 約8,000円 | 約16.9万円 |
| 1,500円 | 約24.0万円 | 約35,000円 | 約11,000円 | 約19.4万円 |
| 1,800円 | 約28.8万円 | 約42,000円 | 約16,000円 | 約23.0万円 |
| 2,000円 | 約32.0万円 | 約47,000円 | 約20,000円 | 約25.3万円 |
| 2,500円 | 約40.0万円 | 約58,000円 | 約30,000円 | 約31.2万円 |
派遣社
員の社会保険——加入条件と手取りへの影響
派遣社員が社会保険(健康保険・厚生年金)に加入するかどうかは、以下の条件で決まります。社会保険に加入すると手取りは減りますが、将来の年金受給額や傷病手当金などの保障が得られます。
派遣社員の社会保険加入条件(令和7年)
- 週の所定労働時間:20時間以上
- 月額賃金:8.8万円以上(年収106万円以上)
- 勤務先の規模:従業員数51人以上(令和6年10月以降は全企業に対象拡大)
- 学生ではないこと
社会保険に加入した場合、月収25万円の派遣社員で約3.7万円が保険料として控除されます。非加入の場合はこの金額がそのまま手取りとして残りますが、国民年金(月約17,000円)と国民健康保険(地域により変動)を自ら支払う必要があり、実質的な手取りの差は月1〜2万円程度です。
派遣社員の手取りを増やす3つの視点
1. 残業時間のコントロール:派遣社員の最大の強みは、残業代が法定通りに支払われることです。時給1,800円で月20時間の残業をした場合、残業代だけで約45,000円(割増25%込みで時給2,250円×20時間)、手取りで約35,000円が上乗せされます。ただし残業代も社会保険料や税金の対象となるため、全額が手取りに入るわけではありません。
2. 派遣会社の福利厚生を活用する:大手派遣会社では、確定拠出年金(401k)や財形貯蓄制度、社員割引などの福利厚生を提供しているケースがあります。iDeCoに加入すれば掛金が全額所得控除となり、時給1,800円・年収350万円の場合、月23,000円の拠出で年間約4万円の節税になります。
3. 正社員登用を視野に入れる:派遣から正社員への登用制度を利用すれば、月収が1.2〜1.5倍に増加するケースもあります。派遣期間中にスキルを積み、正社員登用のタイミングで給与交渉を行うのが最も確実な手取り増の方法です。
派遣と正社員——手取りの比較で見えてくる実態
同じ業務をしていても、派遣社員と正社員では年間の手取りにどの程度の差が出るのか比較します。
| 項目 | 派遣社員(時給1,800円) | 正社員(月収30万円) |
|---|---|---|
| 年収 | 約350万円 | 約380万円(賞与2ヶ月分含む) |
| 手取り年額 | 約280万円 | 約305万円 |
| 賞与 | なし | 約60万円(年間) |
| 退職金 | なし | あり(勤続年数に応じて) |
| 有給休暇 | 法定通り付与 | 法定+会社独自 |
派遣社員は賞与がないため、年収ベースで正社員より30〜50万円低くなるケースが多いです。ただし時給が高い専門職派遣(ITエンジニア、通訳、医療事務など)では、時給2,500円以上となり、正社員より手取りが多いこともあります。