社会保険料と手取りの関係
給与明細の控除額の中で最も大きい割合を占めるのが社会保険料です。手取りが「額面の約8割」になる主な理由も、この社会保険料にあります。社会保険料は健康保険・厚生年金・雇用保険などで構成され、会社と本人が折半して負担します。このページでは、社会保険料の内訳と目安、年収500万円の計算例、40歳からの介護保険料までを解説します。
社会保険料の内訳と負担の仕組み
会社員が給与から天引きされる社会保険料は、主に次の3種類です。これらは毎月の給与とボーナス(賞与)の両方から引かれます。
- 健康保険料:病気やけがの治療費の一部をカバーする保険。加入する保険者(協会けんぽや健康保険組合)によって料率が異なる。
- 厚生年金保険料:将来の老齢年金などの基礎となる保険。料率は全国一律18.3%で、会社と折半するため本人負担は約9.15%。
- 雇用保険料:失業時の失業給付などに充てられる保険。料率は年度により変動し、本人負担は年収の約0.3〜0.6%程度。
会社員の場合、会社が保険料の半分を負担するため、実際にかかる保険料は表示の2倍になります。この点が「手取りが減る理由」を理解するカギです。
社会保険料率の目安(本人負担分)
| 保険の種類 | 料率(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 健康保険料(協会けんぽ) | 約4.5〜5% | 都道府県ごとに異なる。40歳未満 |
| 介護保険料 | 約1.5〜1.8% | 40〜64歳のみ加算 |
| 厚生年金保険料 | 約9.15% | 全国一律(18.3%の折半分) |
| 雇用保険料 | 約0.3〜0.6% | 年度により変動 |
これらを合計すると、40歳未満で約14〜15%、40〜64歳で約15.5〜16.5%程度が本人負担となります。さらに上限額があるため、年収が非常に高い場合は比率が下がることもあります。
年収500万円の場合の社会保険料の計算例
年収500万円(月収約41.6万円)・40歳未満・協会けんぽ加入を前提とした月額の目安は以下のとおりです。
社会保険料(本人負担)= 健康保険料約20,800円 + 厚生年金約38,100円 + 雇用保険約1,500円 = 約60,400円/月
これを12カ月分で約72万円、さらにボーナスにも標準報酬に応じた保険料がかかるため、年間の社会保険料負担は約80万円前後になります。年収500万円の手取りが約385万円になるのは、社会保険料に加えて所得税・住民税が差し引かれるためです。
計算の詳細は年収500万円の手取りのページをご覧ください。
40歳からの介護保険料の加算に注意
40歳になると、健康保険料に介護保険料が加算され、社会保険料の合計が増えます。介護保険料率は各健康保険の加入者数や被保険者の年齢構成で決まり、約1.5〜1.8%(本人負担分)が目安です。たとえば月収40万円の人なら、毎月約6,000〜7,000円の負担が増える計算になります。
介護保険料は65歳になると保険料の支払い方(年金からの天引きなど)が変わり、若い頃より負担が大きくなる人が多いのも特徴です。老後の手取り見通しを立てる際は忘れずに考慮しましょう。
よくある質問
社会保険料は毎年変わるのですか?
はい。健康保険料率は保険者の財政状況で、雇用保険料率は失業給付の見込みなどで毎年見直されます。また4月〜6月の給与をもとに標準報酬月額が決まり、9月(標準報酬月額)の改定や年収に応じた標準賞与額の上限により金額が変わります。
アルバイトやパートでも社会保険に加入する条件はありますか?
はい。週の所定労働時間が正社員の4分の3以上、または適用拡大により週20時間以上・月収8.8万円以上など一定の条件を満たすと、短時間労働者でも加入対象になります。パートで働く場合の手取りはパート主婦の手取り収入をご覧ください。
健康保険と厚生年金、どちらが手取りへの影響が大きいですか?
金額の影響が大きいのは厚生年金保険料です。年収500万円の人なら本人負担で月約3.8万円と、社会保険料の中で最も高額です。ただし将来の年金受給額に反映される点は覚えておきましょう。