老後と手取り収入
「老後は年金だけで暮らせるの?」という不安は、多くの人が抱えるものです。現役時代の手取り収入とは異なり、老後の収入は年金・退職金・保有資産が中心になります。このページでは、老後の手取り収入(年金・退職金)の目安と、現役時代からできる準備を解説します。
老後の収入源と「手取り」の考え方
老後の収入は、主に次の3つで構成されます。
- 公的年金:国民年金(基礎年金)+厚生年金。会社員だった人は厚生年金分が上乗せされる。
- 退職金・企業年金:勤務先からの一時金や年金。会社により制度が違う。
- 個人の資産:貯蓄・iDeCo・NISA・不動産収入など。
年金は「手取り」というよりは、社会保険料や税金(公的年金等控除があるため)を引いた後の受取額で考えます。年金からは住民税や社会保険料(医療・介護)が引かれる場合もあります。
老後の年金収入の目安
年金額は加入期間や収入で変わりますが、目安として次のような数字が知られています(あくまで概算)。
| 世帯タイプ | 年金の目安(月額) | 備考 |
|---|---|---|
| 会社員の夫+専業主婦の妻(モデル世帯) | 約23万円前後 | 夫の厚生年金+妻の基礎年金(令和6年度のモデル) |
| 独身の会社員(平均的な厚生年金加入) | 約10〜12万円前後 | 加入期間や年収により変動 |
| 自営業など基礎年金のみ | 約6〜7万円前後 | 国民年金のみの場合 |
年金額は毎年度改定され、物価や賃金の変動で変わります。また65歳からの受給開始を60〜75歳の間で選べる「繰上げ・繰下げ」もあり、受取額が増減します。
退職金と企業年金の「手取り」
退職金には退職所得控除があるため、税金がかかりにくいのが特徴です。退職金の手取り額は、勤続年数と退職金額によって次のように変わります。
退職所得 = (退職金 − 退職所得控除) × 1/2
勤続20年超なら退職所得控除が大きくなり、税負担が軽くなる
勤続20年超なら退職所得控除が大きくなり、税負担が軽くなる
たとえば勤続30年・退職金1,500万円なら、退職所得控除は約1,500万円(800万円+70万円×10年)になり、退職金のほぼ全額が非課税になるケースがあります。
老後に必要な資金と現役時代の準備
「老後資金2,000万円問題」で話題になったように、老後に年金だけでは不足する生活費をどう補うかが課題です。
- 不足額を試算する:老後の生活費(月25万円前後が目安)から年金受取額を引き、不足分を確認。
- iDeCoで公的年金を上乗せ:掛金が所得控除になる自己年金の代表格。
- NISAで長期投資:老後資金を育てる手段として活用(元本割れリスクあり)。
- 退職金・住宅ローン完済のタイミング:定年後も手取りが続くよう、ローンの計画を見直す。
老後の資産形成は手取り収入と投資のバランスで解説しています。
よくある質問
年金からは税金や保険料が引かれますか?
公的年金等控除後の課税対象額に応じて所得税・住民税が課され、健康保険料や介護保険料(65歳以上は年金天引きが原則)が引かれることがあります。受取額は「年金額面」より少なくなる点に注意しましょう。
退職金の手取りはいくらになる?
退職所得控除が大きいため、多くのケースで税負担は軽く、退職金の8割〜ほぼ全額が手元に残ります。ただし勤続年数が短い場合は税金がかかります。退職前に会社の試算を確認しましょう。
老後に「手取り収入」を増やす方法はありますか?
65歳以降も働く(再雇用・シニア雇用)と、給与収入が年金に上乗せされます。ただし在職老齢年金により、給与と年金の合計が一定額を超えると年金が減額される場合があります。働き方と年金のバランスを確認しましょう。