ボーナスの手取り計算——控除のしくみと実際の振込額を読み解く

ボーナスが振り込まれる日、明細を開いて「思ったより少ない」と感じた経験はありませんか。額面100万円のボーナスが、実際に口座に入るのは80〜85万円程度。その差額約15〜20万円はどこへ消えたのか。このページでは、ボーナスから天引きされる社会保険料と税金の計算式をひとつずつ解体していきます。

ボーナス手取りの基本式——引かれるものは3つだけ

結論から言うと、ボーナスから差し引かれるのは以下の3つです。

ボーナスにかかる控除項目と料率
控除項目料率(本人負担分)備考
健康保険料約5.0%協会けんぽの場合。組合健保は異なる
厚生年金保険料9.15%標準賞与額150万円/回が上限
雇用保険料0.6%一般の事業。農林漁業・建設は0.7%
社会保険料 小計約14.75%
所得税(源泉徴収)前月給与により変動年末調整で精算
控除率 合計目安約15〜20%手取りは80〜85%

つまり、ボーナスの手取りは「額面 × 0.80〜0.85」でざっくり計算できます。ただしこれはあくまで目安。前月の給与額によって所得税の源泉徴収率が変わるため、同じボーナス額でも手取りは人によって数千円〜数万円変わります。

具体例で見る——ボーナス100万円の手取り計算

もっともわかりやすい例として、額面100万円のボーナスで計算してみましょう。前提として、前月の給与(社会保険料控除後)が35万円のケースを想定します。

ボーナス100万円の手取り計算過程
計算ステップ計算式金額
額面(総支給額)1,000,000円
健康保険料1,000,000 × 5.0%-50,000円
厚生年金保険料1,000,000 × 9.15%-91,500円
雇用保険料1,000,000 × 0.6%-6,000円
社会保険料控除後852,500円
源泉所得税852,500 × 約10.21%-87,000円(概算)
手取り額約765,500円
控除率約23.5%

この例では手取り率が約76.5%と、目安の80%を下回りました。これは所得税の源泉徴収率が前月給与の影響で高めに出たケースです。実際には年末調整で還付される可能性が高く、年間トータルでは手取り率80%超に落ち着くことがほとんどです。

社会保険料の上限——高額ボーナスほどお得になるカラクリ

ボーナスの社会保険料には上限があります。厚生年金の標準賞与額は1回のボーナス支給につき150万円が上限。つまり250万円のボーナスでも、年金保険料は150万円分(約137,250円)しかかかりません。

健康保険の標準賞与額は年度累計で573万円が上限。夏冬2回で合計600万円のボーナスなら、573万円分までしか健康保険料はかかりません。

ボーナス額別の社会保険料上限の影響
ボーナス額(1回)年金保険料上限超過分の節約
100万円91,500円—(上限未満)
150万円137,250円—(上限ちょうど)
200万円137,250円45,750円
300万円137,250円137,250円

この上限制度のおかげで、高額ボーナスになるほど手取り率は上昇します。200万円のボーナスなら手取り率は約83%、300万円なら約87%に達することもあります。

ボーナス手取り計算のよくある疑問

ボーナスの社会保険料は月給と同じ計算ですか?
基本的な料率は同じですが、計算のベースが異なります。月給は「標準報酬月額」、ボーナスは「標準賞与額」を使います。標準賞与額はボーナス支給額から1,000円未満を切り捨てた金額で、これに各保険料率を掛けます。厚生年金は1回150万円、健康保険は年度573万円の上限がある点が月給との大きな違いです。
ボーナスにかかる住民税はいつ引かれる?
ボーナスから住民税は差し引かれません。住民税は前年の所得に基づいて翌年6月から月給から天引きされるため、ボーナス時の控除には含まれていません。これは誤解が多いポイントです。
ボーナスの源泉所得税を取り戻す方法はある?
年末調整で自動的に精算されます。ボーナス時に源泉徴収された所得税が多すぎた場合、12月の給与で還付されるか、翌年1月の給与で調整されます。住宅ローン控除や医療費控除を受けている人は、さらに確定申告で追加還付を受けられる場合もあります。

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