ボーナス150万円——年金保険料の壁を超え、手取り率が動き始める境界線

ボーナス150万円。この金額には特別な意味があります。厚生年金の標準賞与額の上限が1回あたりちょうど150万円だからです。つまり150万円を境に、年金保険料の負担が頭打ちになる。ここから先、ボーナスが増えても年金保険料は増えず、手取り率が改善していく——その変曲点に立つのがこの金額です。

150万円の明細——年金上限で何が変わるか

ボーナス150万円の手取り内訳
項目計算控除額備考
健康保険料1,500,000 × 5.0%75,000円年度累計573万円まで課される
厚生年金保険料1,500,000 × 9.15%137,250円←ここが上限。これ以上は増えない
雇用保険料1,500,000 × 0.6%9,000円上限なし(全額に課される)
社会保険料小計14.75%221,250円
源泉所得税前月給与次第約130,000円高所得層のため税率高め
控除合計約351,250円
手取り額約1,148,750円手取り率約76.6%

実は150万円のボーナスは、手取り率(約76.6%)が100万円(約76.6%)とほぼ同じです。これは源泉所得税の税率が高くなる効果と、年金保険料率がまだ上限ギリギリで効いているため。手取り率が明確に改善し始めるのは150万円を「超えてから」です。

150万円を境に何が起きるか——200万円との比較で見る

ボーナス150万円と200万円。額面差は50万円ですが、手取りの差はそれ以上に興味深い数字を示します。

ボーナス150万円 vs 200万円——手取り率の逆転
項目150万円200万円
健康保険料75,000円100,000円+25,000円
厚生年金保険料137,250円137,250円±0円(上限)
雇用保険料9,000円12,000円+3,000円
源泉所得税約130,000円約185,000円+55,000円
控除合計約351,250円約434,250円+83,000円
手取り額約1,148,750円約1,565,750円+417,000円
手取り率76.6%78.3%+1.7pt

額面50万円増に対して手取りは約42万円増。年金保険料が頭打ちになったことで、「使えない控除」が減った分だけ手取り率が改善しているのです。

高額ボーナス層のマネー戦略——手取り120万円を腐らせない

手取り約115万円。この金額の扱いを間違えると、ただ減っていく数字で終わります。年収1,000万円超の人が取るべき具体的なアクションは以下のとおりです。

NISA枠を使い切る。成長投資枠は年間240万円、つみたて投資枠は120万円。ボーナス手取り115万円のうち50万円を成長投資枠での一括投資に充てれば、年間枠の約21%を消化できます。全世界株式やS&P500のインデックスファンドが鉄板です。

iDeCoを満額拠出。年収1,000万円超の所得税率は33%以上。iDeCoの拠出金(月23,000円=年276,000円)が全額所得控除されると、年約91,000円の節税。ボーナス時に翌月以降の掛金の原資を確保しておけば、無理なく継続できます。

ふるさと納税の上限を確認。年収1,200万円・独身の場合、ふるさと納税の上限は約157,000円。ボーナス時期にまとめて寄付すれば、返礼品と住民税控除のダブルメリット。ただしワンストップ特例が使えるのは5自治体までなので注意。

よくある質問

ボーナス150万円で社会保険料の天井に達したら、もう節約の余地はない?
社会保険料の節約余地は小さいですが、税金面での余地は大きいです。具体的には①医療費控除(年間10万円超の医療費が対象)、②住宅ローン控除(年末の借入残高の0.7%)、③iDeCoの所得控除——この3つが高額ボーナス層の三種の神器です。
ボーナス150万円の人が転職するとき、この金額は維持できる?
150万円(1回)は日本の会社員全体の上位5%程度の水準です。転職でこれを維持・向上させるには、①同業界の同格以上への転職、②外資系への転職(賞与が少ない分、年収全体が高い)、③専門職として独立——のいずれかが現実的です。転職時に「年収ベース」での交渉を忘れずに。
ボーナス150万円をもらう月、月給と合わせていくら手元に残る?
月給の手取りが約50万円(額面約65万円)と仮定すると、その月の合計手取りは約165万円です。通常月の3倍以上の収入になるため、先に配分を決めておかないと散財のリスクが高まります。おすすめは「ボーナス手取りの50%は投資、30%は貯金、20%は消費」のルールです。

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