源泉徴収税率を完全網羅——超過累進税率から月額表・賞与算出率表まで一挙掲載

「税率」という言葉は一口に言っても、所得税には少なくとも3種類の税率表が存在する。超過累進税率(年税額計算用)、月額表(毎月の源泉徴収用)、賞与算出率表(ボーナス用)だ。本稿では令和7年(2026年)時点の全税率表を収録し、それぞれの使い分けを実例で示す。

源泉所得税の背骨——超過累進税率と控除額の完全表

年に一度の所得税計算(年末調整・確定申告)で使われるのが、この超過累進税率だ。単純に「課税所得×税率」ではなく、「課税所得×税率−控除額」で計算される点が最大の特徴である。

令和7年 所得税の超過累進税率表
課税所得金額税率控除額実効税率(上限時)
1,000円〜1,949,000円5%0円5.00%
1,950,000円〜3,299,000円10%97,500円7.04%
3,300,000円〜6,949,000円20%427,500円13.85%
6,950,000円〜8,999,000円23%636,000円15.93%
9,000,000円〜17,999,000円33%1,536,000円24.47%
18,000,000円〜39,999,000円40%2,796,000円33.01%
40,000,000円以上45%4,796,000円

例:課税所得400万円の場合。400万円は2段目の区分(195万超330万以下)に入り、税額は 400万円 × 20% − 427,500円 = 372,500円。実効税率は372,500÷4,000,000=9.3%となる。名目20%と実効9.3%のギャップが「超過累進税率」の肝だ。

毎月の給与で使われる——源泉徴収税額月額表(抜粋)

毎月の源泉徴収に使われる月額表は、社会保険料控除後の給与額と扶養人数で税額が決まる。

令和7年分 源泉徴収税額表(月額表)主要帯抜粋
社保控除後の月給扶養0人扶養1人扶養2人扶養3人扶養4人
160,000〜168,0003,530円2,200円870円150円0円
200,000〜208,0005,500円3,880円2,240円730円0円
240,000〜248,0008,060円5,940円3,930円2,120円810円
280,000〜288,00011,080円8,480円5,990円3,720円1,980円
320,000〜328,00014,600円11,520円8,570円5,970円3,680円
380,000〜395,00020,470円16,430円12,530円9,030円6,020円
450,000〜470,00029,240円24,130円18,830円13,520円9,430円

同じ社保控除後32万円でも、扶養0人だと14,600円、扶養3人だと5,970円。月額8,630円、年間10万円以上の差が扶養家族の有無だけで生まれる。

賞与の源泉徴収——算出率表と前月給与の関係を一覧化

賞与の源泉所得税計算で使われる「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」では、前月給与の額が税率を決定する。

令和7年分 賞与の源泉徴収税率(算出率表)主要帯抜粋
前月給与(社保後)扶養0人扶養1人扶養2人扶養3人
〜87,000円2.042%0.000%0.000%0.000%
87,001〜144,0004.084%2.042%0.000%0.000%
144,001〜178,0006.126%4.084%2.042%0.000%
178,001〜217,0008.168%6.126%4.084%2.042%
217,001〜256,00010.210%8.168%6.126%4.084%
256,001〜300,00012.252%10.210%8.168%6.126%
300,001〜350,00014.294%12.252%10.210%8.168%
350,001〜400,00016.336%14.294%12.252%10.210%
400,001〜500,00018.378%16.336%14.294%12.252%
500,001〜650,00020.420%18.378%16.336%14.294%

賞与の源泉税率は、前月給与が高いほど、また扶養家族が少ないほど高くなる。たとえば前月給与35万円の独身者が50万円の賞与をもらった場合、税率14.294%で源泉所得税は約71,470円。同じ賞与額でも扶養家族が3人いれば税率8.168%で約40,840円と、約3万円もの差がつく。

よくある質問

令和7年から復興特別所得税の税率は変わりますか?
復興特別所得税(所得税額×2.1%)は「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」に基づき、令和19年12月31日までの時限措置です。令和7年時点では変更なく継続されます。実務上は所得税額に1.021を乗じた額が実際の納税額となるため、源泉徴収税額表にも既に2.1%分が織り込まれています。
源泉徴収税率表に載っていない特殊なケース(日雇い・短期雇用など)の税率は?
日々雇用される労働者(日雇労働者)には「日額表」が、短期雇用(2ヶ月以内)の労働者には「月額表の乙欄」または「日額表の丙欄」が適用されます。丙欄は日額9,300円未満は非課税、9,300円以上は段階的に税率が上がる方式です。これらの特殊表は国税庁の公式サイトで公開されています。
住宅ローン控除がある場合、源泉徴収税額表の税額がそのまま天引きされるのですか?
住宅ローン控除の適用初年度は確定申告が必要で、源泉徴収税額表の通りに天引きされた所得税が年末調整で戻ります。2年目以降は年末調整で住宅ローン控除が適用されるため、給与天引き時の源泉所得税と実際の年税額が大きく異なる場合があります。特に住宅ローン控除額が年間の源泉所得税を上回る場合、住民税からも一定額が控除される仕組み(令和4年以降)があります。

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