ボーナスの税金計算方法——源泉所得税の算出率表を完全マスター
「ボーナスからこんなに税金が引かれるの?」と驚いた経験はありませんか。ボーナスの所得税(源泉徴収)は、月給の所得税とはまったく異なるロジックで計算されています。ここでは国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を読み解きながら、具体的な計算手順をマスターします。
源泉徴収税額算出率表——前月給与が税率を決めるカラクリ
ボーナスの源泉所得税を決める最大の要素は「前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額」です。
| 前月給与(社保控除後) | 扶養0人 | 扶養1人 | 扶養2人 | 扶養3人 |
|---|---|---|---|---|
| 15万円未満 | 2.042% | 1.021% | 0.000% | 0.000% |
| 15万〜20万円 | 4.084% | 2.042% | 1.021% | 0.000% |
| 20万〜25万円 | 6.126% | 4.084% | 2.042% | 1.021% |
| 25万〜30万円 | 8.168% | 6.126% | 4.084% | 2.042% |
| 30万〜35万円 | 10.210% | 8.168% | 6.126% | 4.084% |
| 35万〜40万円 | 12.252% | 10.210% | 8.168% | 6.126% |
ポイントは「前月の給与」が基準になること。たとえボーナスが10万円でも、前月の給与が40万円なら高い税率が適用されます。逆にボーナスが100万円でも、前月給与が15万円なら税率は低くなります。
実例で学ぶ——4パターンの源泉所得税計算
同じ額面50万円のボーナスでも、前月給与と扶養家族数で源泉所得税は大きく変わります。
| ケース | 前月給与(社保後) | 扶養人数 | 税率 | 源泉所得税 | 手取り |
|---|---|---|---|---|---|
| A(若手独身) | 20万円 | 0人 | 6.126% | 26,130円 | 400,120円 |
| B(中堅独身) | 32万円 | 0人 | 10.210% | 43,550円 | 382,700円 |
| C(既婚子1人) | 32万円 | 1人 | 8.168% | 34,840円 | 391,410円 |
| D(既婚子2人) | 32万円 | 2人 | 6.126% | 26,130円 | 400,120円 |
AとBでは同じ独身でも手取りに約17,400円の差。扶養家族が2人いるDは、独身のBより所得税が約17,400円も少なくなります。
源泉所得税と年末調整——過払いと不足の実例
源泉所得税はあくまで「仮払い」です。年末調整で年間の正確な税額が確定します。
| 項目 | 独身・扶養なし | 既婚・扶養2人 |
|---|---|---|
| 年収 | 600万円 | 600万円 |
| 年間源泉所得税(月給+賞与) | 258,000円 | 168,000円 |
| 年間確定所得税(年末調整後) | 235,000円 | 140,000円 |
| 還付額 / 追加徴収 | 23,000円還付 | 28,000円還付 |
源泉徴収では扶養家族を加味した暫定税率が使われますが、実際の年末調整では各種控除(保険料控除・住宅ローン控除など)がさらに適用されるため、多くの場合還付となります。
よくある質問
- ボーナスと月給で所得税の計算方法が違うのはなぜ?
- 月給は「源泉徴収税額表」の月額表、ボーナスは「算出率表」を使用します。月給は定期的な収入として年間を均した税額を計算しますが、ボーナスは臨時収入として前月給与を基準に簡易計算します。複雑な年間収入の予測を避け、毎月の事務処理を簡素化するための実務的な区分です。
- 前月の給与がゼロだった場合、ボーナスの所得税はどうなる?
- 育児休業や病気休職で前月の給与がゼロまたは著しく少ない場合、「賞与の源泉徴収税額の計算ができない」ため、通常とは異なる方法で計算されます。この場合は勤務先の給与担当者に確認し、必要に応じて年末調整や確定申告での対応となります。
- ボーナスの所得税が異常に高かった場合の対処法は?
- まずは源泉徴収税率表と自分の前月給与を照合してください。前月に臨時の手当(住宅手当の一括支給など)が含まれていた場合、税率が高くなることがあります。原因がわからない場合は総務・経理に計算根拠を確認しましょう。最終的には年末調整で精算されるため、年間トータルでは損をしません。
- 扶養控除等申告書を提出していないとボーナスの税金はどうなる?
- 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない場合、賞与の源泉徴収は「乙欄」という高い税率(およそ一律10%以上)が適用されます。申告書は毎年提出が必要なため、入社時だけでなく年度初めにも必ず提出しましょう。