住民税と手取りの関係
「入社2年目から急に給料が減った気がする」——その正体は住民税です。住民税は前年の所得に基づいて計算され、翌年6月から給与から天引きされるため、年収が変わらなくても収入が伸びた翌年は手取りが減ります。このページでは、住民税の計算方法と手取りへの影響、押さえておきたいポイントを解説します。
住民税とは?所得税との違い
住民税は、住んでいる都道府県と市町村に納める地方税で、「都道府県民税」と「市町村民税」を合わせた呼び名です。所得税との大きな違いは次の3点です。
- 前年所得基準:1月1日時点の住所地と前年の所得で決まる。
- 給与天引きの時期:毎年6月から翌年5月までの12回で天引きされる。
- 税率がほぼ一律:所得割は10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)で全国ほぼ一定。
所得税が「その年の収入で毎月変動する」のに対し、住民税は「前年の収入で1年間固定」というのが最大のポイントです。
住民税の計算方法
住民税は次の2つを合算します。
住民税 = 所得割(前年の課税所得 × 10%) + 均等割(年5,000円前後)
課税所得は所得税とほぼ同じ考え方ですが、基礎控除が43万円(所得税は48万円)など、金額が少し違います。そのため、所得税がかからない低所得の人でも、住民税の均等割が発生する場合があります。
| 前年の年収 | 住民税の年間目安 | 月々の天引き額 |
|---|---|---|
| 300万円 | 約11.5万円 | 約9,600円 |
| 400万円 | 約15.5万円 | 約12,900円 |
| 500万円 | 約20万円 | 約16,700円 |
| 700万円 | 約31万円 | 約25,800円 |
| 1,000万円 | 約50万円 | 約41,700円 |
※自治体や控除の状況により差があります。住宅ローン控除(所得税で使い切れない分)やふるさと納税で住民税が減る場合があります。
住民税が手取りに与える影響
住民税は所得税よりも先に増えて、手取りを押し下げる傾向があります。年収500万円の人なら住民税が年間約20万円、毎月約1.7万円が天引きされるため、額面で5%程度の手取り率低下要因になります。
また、次のようなケースで「手取りが急に減った」と感じることがあります。
- 残業や昇給で年収が上がった翌年:前年所得に基づく住民税が上がる。
- 転職して年収が変わった:前年の収入で住民税が決まるため、新しい年収とズレる。
- 退職した年:給与天引きができず、一括納付(普通徴収)になる。
住民税の「1年遅れ」を意識すれば、昇給の翌年は手取りが増えない可能性があることをあらかじめ見越せます。家計予算は住民税込みで組みましょう。
住民税を減らす方法
住民税は一律10%ですが、所得控除で課税所得を減らせば税額も減ります。
- iDeCo掛金:全額が所得控除になり、住民税も減る(所得税と合わせて節税効果)。
- ふるさと納税:自己負担2,000円を除き、住民税から控除される。
- 扶養控除・配偶者控除:住民税でも適用され、控除額は33万円など。
よくある質問
住民税が6月から増えるのはなぜですか?
住民税は前年の所得に基づいて毎年6月から翌年5月までの12回で天引きされるため、前年の収入が増えていれば6月の給与から天引き額が上がります。これは「増税」ではなく、前年所得を反映した結果です。
無職のときにも住民税はかかりますか?
住民税は前年の所得で決まるため、前年に収入があった無職の人は、その年の6月から住民税が課税されます。収入がなければ均等割のみの課税、または非課税になる場合があります。
住民税と所得税、納付先はどう違いますか?
所得税は国(税務署)へ、住民税は住んでいる都道府県と市区町村へ納めます。給与天引きの場合は、会社が所得税を源泉徴収し、住民税を特別徴収として自治体へ納付します。