ボーナスと確定申告——給与所得者が知っておくべき申告要否の判断基準

「ボーナスをもらっているから確定申告が必要?」——この疑問を持つ会社員は少なくありません。結論から言えば、大多数の給与所得者にとって確定申告は不要です。しかし特定の条件に当てはまる場合、申告することで税金が戻ってくる可能性があります。ここではボーナスを含む給与所得と確定申告の関係を詳しく解説します。

確定申告が必要なケース——ボーナス受給者が該当する6つの条件

以下のいずれかに該当する場合、たとえ年末調整を受けていても確定申告が必要(または申告したほうが得)です。

給与所得者(ボーナス受給者)の確定申告要否判断
条件要否理由提出期限
医療費が年間10万円超(または総所得の5%超)必要(還付)年末調整では医療費控除不可翌年2月16日〜3月15日
ふるさと納税 6自治体以上またはワンストップ未提出必要(控除)寄附金控除の適用翌年2月16日〜3月15日
副業所得が年20万円超必要(納税)給与以外の所得申告義務翌年2月16日〜3月15日
住宅ローン控除初年度必要(控除)初年度のみ確定申告必須翌年2月16日〜3月15日
年収2,000万円超必要(申告)年末調整対象外翌年2月16日〜3月15日
災害・盗難による損失(雑損控除)必要(還付)年末調整では雑損控除不可翌年2月16日〜3月15日

特に「医療費控除」と「ふるさと納税(ワンストップ未利用)」は、ボーナス受給者にも関係する頻出ケースです。

確定申告で還付を受けられる具体的な
金額目安

ケース別に、確定申告によって還付される金額の目安をシミュレーションします。年収600万円(課税所得330万円・税率20%)の会社員をモデルに計算しました。

ケース別 確定申告による還付額の目安(年収600万円)
申告内容支出額控除額所得税還付目安住民税軽減目安
医療費控除30万円20万円(10万円控除後)約40,000円約20,000円
ふるさと納税(上限5万円)50,000円48,000円約9,600円約38,400円
住宅ローン控除(年末残高3,000万)21万円約42,000円
雑損控除(災害損失50万円)50万円40万円(10万円控除後)約80,000円約40,000円

医療費がかかった年は確定申告でまとまった還付が期待できるため、領収書の保管を習慣づけましょう。

ボーナスが多い年こそ確定申告を検討すべき理由

ボーナスが高額で年収が大きく跳ね上がった年は、以下の理由から確定申告のメリットが特に大きくなります。

ボーナス増額年に検討すべき確定申告活用策
施策効果具体的アクション
iDeCo掛金の増額課税所得を直接減らせるボーナス増額を見越して年単位で増額設定
医療費控除の申請税率が高い年ほど還付額大家族全員の医療費を合算
ふるさと納税の限度額増加年収増で上限額も増加ポータルサイトで新たな限度額を試算
寄附金控除の活用認定NPO法人等への寄附税額控除で高い節税効果

ボーナスが増えた年の翌年3月15日までが勝負です。

よくある質問

12月のボーナス明細に「還付金」とあるのに、さらに確定申告する意味はある?
あります。「還付金」は年末調整の結果であり、年末調整では処理できない控除(医療費控除・雑損控除・寄附金控除のうちワンストップ特例を使わなかった分など)はまだ適用されていません。これらを適用すれば追加の還付を受けられる可能性があります。
ボーナスと退職金が同じ年にある場合、確定申告は複雑になる?
退職金は「退職所得」として分離課税され、通常は「退職所得の受給に関する申告書」を提出すれば確定申告不要です。ボーナス(給与所得)とは別扱いのため、同時に受け取っても確定申告が複雑になることはありません。
副業の収入がボーナスより少ない場合、確定申告はしなくていい?
副業所得が年間20万円以下であれば確定申告は不要です。ただし20万円の判定は「収入−経費」の「所得」で判断します。副業が複数ある場合はそれらの所得を合算して判断します。
確定申告を忘れた場合のペナルティは?
還付申告の場合は期限を過ぎても申告でき、5年前まで遡って還付を受けられます。一方、納税が必要な申告をしなかった場合は「無申告加算税(15%〜20%)」や「延滞税(年8.7%程度)」が課されるため、必ず期限内に申告しましょう。

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