雇用保険料と手取りの関係
社会保険料の中で金額が小さく、存在感が薄いのが雇用保険料です。しかし、失業したときの「失業給付(基本手当)」や育児休業中の「育児休業給付金」を受け取るために欠かせない保険です。このページでは、雇用保険料が手取りに与える影響と、給付を受けるための注意点を解説します。
雇用保険料とは?何に使われるのか
雇用保険は、会社を辞めて失業したときに生活を支える「失業給付」や、育児・介護のための休業を支える「育児休業給付」「介護休業給付」、職業訓練の支援などを行う制度です。雇用保険料は給与から天引きされ、会社と本人が負担します。
本人負担の料率は、労働者の一般の事業(一般企業)の場合、年収(賃金総額)の約0.6%が目安です(料率は年度により見直しあり)。月給30万円なら月約1,800円、年収500万円なら年間約3万円程度です。
雇用保険料の料率と手取りへの影響
| 事業の種類 | 本人負担率 | 月給30万円の負担額 |
|---|---|---|
| 一般の事業(一般企業) | 約0.6% | 約1,800円 |
| 農林水産・清酒製造の事業 | 約0.7% | 約2,100円 |
| 建設の事業 | 約0.7% | 約2,100円 |
雇用保険料は他の社会保険料と比べると少額で、手取り率への影響は0.6%程度。年収500万円なら年間約3万円です。ただし、パート・アルバイトでも週の所定労働時間が20時間以上など一定の条件で加入対象になります。
失業給付(基本手当)はどれくらいもらえるか
失業給付の基本手当は「賃金日額(退職前6カ月の平均賃金÷180日)」に給付率(50〜80%)をかけた金額が、1日分として支給されます。給付率は賃金が低いほど高くなります。
基本手当の目安=賃金日額 × 給付率(50〜80%)× 所定給付日数
給付日数は勤続年数や年齢で変わり、一般の離職者で90〜150日、自己都合退職では原則3カ月間の給付制限期間があります。手取り額の目安を知りたい方は、ハローワークや厚生労働省の資料で最新の要件を確認しましょう。
雇用保険料を払っていても受給できないケースに注意
- 自己都合退職:原則3カ月間の給付制限がある。
- 退職日の前日までの2年間に被保険者期間(通算)が12カ月以上ないと受給できない(一般の離職者)。
- 退職後にアルバイトで収入を得ると:働いた分だけ基本手当が減額される場合がある。
- 受給期間は退職日から1年間:その間に受給手続きと失業認定を受ける必要がある。
※雇用保険の要件・給付額は制度改正で変わることがあります。正確な情報はハローワークの窓口で確認してください。
よくある質問
雇用保険料は手取りから勝手に引かれますか?
給与から天引きされる点は社会保険料と同じですが、雇用保険に加入していることが前提です。加入条件を満たしているのに保険料が引かれていない場合、会社に確認しましょう。
退職したら雇用保険はどうなりますか?
離職の手続きを会社がハローワークに届け出ることで、被保険者資格が失効します。失業給付を受けたい場合は、退職後すぐにハローワークで求職の申し込み(受給資格の手続き)を行ってください。
育児休業中も雇用保険から給付金は出ますか?
育児休業給付金は雇用保険から支給されます。休業開始前の賃金の約67%(180日目以降は約50%)が目安です。詳細は出産と手取り収入のページで解説しています。